YEBISUセレブリティーズ　6/岩本薫 - 東雲あたりでWeblog ver.3.0

とうとう最終巻……えーと、グランドフィナーレである。
毎巻、私の予想の斜め上だったり下だったりを行く、大変突っ込み甲斐のあるシリーズだったのでつい追っかけてきた。
さて本屋へ行って現物を見たら、「何コレ、C☆NOVELSか!?」って位分厚くてビックリした。そしてハードカバー並みのお値段に軽く引いた。さすが最後の最後まで気が抜けないわぁ。
レジに持っていったら、レジのお兄さんが、私が財布を出している間にすばやくカバーをかけてくれた。BL本にカバーをかけて貰うなど自殺行為なので普段は絶対にしない。だが断る間もない、すばやい行動だったのでそのまま私は固まってしまった。ヤツめ、プロだな……。
BL本は表紙をめくるとたいがい肌色な口絵がコンニチハしてくるので、実は、チキンな私は恐ろしくて家へ持って帰るまで殆ど確認しないのだ。この巻はどんなだったろうかと購入してから確認するウカツな私。さて今回の口絵は――
今回はピンナップときたぜ……
しかしまあ、レジのお兄さんに見られても多分セーフ。だって服着てますもの。ああそういうレベル？…………私もずいぶん遠くへ来たものです。

このシリーズも最終巻になって、やっと私も、唐突に、悟りました。

BLの世界に出てくる男性はすべてゲイであると!!*1
BL本も200冊以上読んできたというのに、いまさらというか、やっとというか、初めて私の中のチャクラが開きました。
はっはっは、これでもう「ええーあんたもゲイ!?」と野暮なツッコミをしなくて済むかもしれない。
むしろ登場人物全てに「あなたもゲイなんですよね、わかります」と慈母の如き優しい視線を向けられそうだ。いえもちろんBL本、つーかこのシリーズ限定の読み方ですが。

やっと本文へ。このシリーズは読み始めるまでに、既に色々突っ込み所があるので大変なんだぜ……
しかしまずどうしても突っ込まずにはいられない疑問なんですけれど、
文章多いなら２段組にすりゃいいんじゃないのか。新書なんだし。
そうしたらこんなセレブ価格にならなかったのでは……ひょっとしてセレブは２段組新書とか読まないのか。ああそうか普段横文字だもんな！段組関係ねえか!!
別に段組くらいでやさぐれることも無いんですけど。何かつい、こう、絡んでなければやってられない程ラブラブです。むしろラブラブしかない。
全て番外編の短編集です。そして私にとっては、読み進める事が苦行に近かった……
こういう番外編というのは、キャラ萌えしていないと非常にキツいというか。もうこれは私がいけないんですけど、「あー、よかったね……」という感想しか無い。
じゃ何故このシリーズを読んでいるのかというと、現実離れした所を(あ、言っちゃった)突っ込むという、歪んだ方向だけどやはり一応愛でている訳で……
キャラ萌えしていないと、人のノロケ話を延々聞かされているような気分になる……

そしてまた今更ながら、このシリーズはコミック・ノベル・ドラマCDのコラボ作品な訳で、この3つが合わさって一つの世界を作っているのだ。
つまり何が言いたいかというと、小説版しか読んでいない私には当然知らないキャラがわらわらいる訳で、小説の最終巻にはここぞとばかりに全員出てくるのだ。
「あんた誰!?」というキャラがわらわらいるのだ。最終巻なのに。
おかげでキャストプロフィールと首っ引きよ。最終巻なのに。
それにしても君たちはどうしてそんなにお互いに褒めあうんだ。セレブか。セレブだからか。それがのぶれすおぶりーじゅなのか。やっとれんわー！と心の中でちゃぶ台何回もひっくり返す。でも読むけど。

アルベルトが東城に二人の為のお家を用意していた所で笑いのビッグウェーブ(1回目)が来てしまった……
だって小坂明子の「あなた」の世界がここに……
東城がレースを編んでくれたら完璧だ。あとブランコ。

そしてヴァレンタインでビッグウェーブ(2回目)到来。
やっぱりあげたいものなのか、チョコレート。いやチョコ的な何かでもいいけど。
あと、こう、ビッグウェーブには至らなかったけど、やたらにお揃いにしたがる奴らもなぁ。
お、お揃いって……
やっぱりしたいものなのか、ペアって……。都市伝説だと思っていたぜ……
く、悔しくなんかないわよ!?。

で、この巻における究極のシアワセの形は、「親兄弟に理解してもらって」「家を持ち」「お揃い」とか「結婚式」とかして「ファミリー」になることなんだな……
それって女性から見た幸せの形なのではと思ってしまうんだけど、でもやっぱり家庭を持つという願いが最終形という事に性差はないのかね。

「快感フレーズ」でも思ったけど、さんざんセレブだ仕事だ世界が俺を待ってるぜ的な展開をしておいて、最終着地点がそこかい……というのが私にはちょっと納得できないんだよなぁ。

ドラマCDは、あと15年修行したら聞けそうな気がする。私がBLを読めるようになるまでその位かかったので。
やっぱりコミック版もいっとくべきか……
しかしためらわせるナニかがあるんだよな……