27.駄目ッ子インキュバス/海野幸
- 作者: 海野幸,琥狗ハヤテ
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2009/12/18
- メディア: 文庫
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あらすじ。
落ちこぼれインキュバス(淫魔)のタキは、誘惑に失敗続きの人間界をあきらめて、魔界でターゲットを絞り込む。だが、出会ったのは、魔界で最も賢く、最も美しいといわれるクライブ公爵だった。インキュバスなのに、想像以上におぼこいタキに、クライブは興味を覚え……
書店で帯を見て、久しぶりに「買えるかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」と心の中で叫んでしまった。*1
BL本を読み始めて数年、もはや肌色率の高い表紙にも帯のどぎついコピーにも動じるまい、と思っていたが、この道はまだまだ深い……
しかし行った書店では確実にこの本の積み置きが減っていたので、「この本を買って行った先達が確実にいる!負けてはならぬ(何に?)!!」と奮起し、レジへ持って行きました。
シャレード文庫はあの、裏表紙に際どいセリフを抜粋して載せるという、レジに持っていくとき表紙にも裏表紙にもしにくいというドSな仕様をやめたと思ったら…帯コレクターとしては満足ですけど。
おぼこいというか、めっちゃドジっ子なタキが笑えます。誘惑が下手な代わりに、料理や掃除をしたりして尽くしまくってお母さん扱いされてしまったり、「お前は私をどうしたいんだ?」とクライブに聞かれて、「どうにかしたいです」と答えて爆笑されたり。
とにかく必死で(ただし必死なだけ)、「ごしゅじんさま、よろこぶ?よろこぶ?」と全身で訴えてる子犬みたい。悪魔なのに癒し系。これはこれでほだされるかもなぁ。
クライブは、以前関わりのあった、最上位のインキュバスにタキが瓜二つであることから興味を持ち、しょっちゅう「最上位のインキュバス」の話はでてくるのだけど、それにしても最後の展開はやや強引すぎないか?と思いました。タキが「最上位のインキュバス」に瓜二つな理由の伏線がもうちょっとあったらなあ、と。私が鈍いだけかもしれないが。
三つの頭で地味に主人に抗議する、クライブの番犬・ケルベロスがかわいいです。
*1:「こんなに下手な口淫は、初めてだ」というコピーです。