60.放課後は秘密のふたり/渡海奈穂
あらすじ
高校一年の杉里は、担任の冬杜の視線をいつも感じていた。「どうして俺のこと見るんですか」ある日冬杜にそう尋ねたが、冬杜はその問いに答えなかった。杉里は必死にその視線を無視しようとするが……
自分の問いかけを無視されて、初めて杉里は気付いてしまうのだ。
冬杜が自分を見ている意味を、それに対して自分がどう思っているのかを、なのにどうして冬杜が何も答えないのかも。
まるでエスパーかの如く冬杜の意図がわかっちゃうのはアレだが、わかっちゃったが故に冬杜をなじることもあきらめることも出来なくてぐるぐるしてしまうのである。
なんて不憫な子や……と思っていたら
あれぇ? なんか思ったよりあっさりボーダー を越えちゃったぞ?
…………
と思ったら、
察しの良すぎる不憫な子は想いが通じてもやっぱり不憫な子だった……
冬杜の負担にならないよう、欲しがらず我慢する。素晴らしい愛人気質。おまけに超くち下手。
何かこの必死さと一途さは、昭和の少女漫画の香りがする。「少女フレンド」あたりの感じ?
まあこの二人に未来がありそうなのはいいんですが。
こういう学園物を読むとだいたい教師に対してムカついてくるのは、私が大人の方の視点になっちゃってるからなのか。
wrote:2007-9-9
- 作者: 渡海奈穂,三池ろむこ
- 出版社/メーカー: 笠倉出版社
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- メディア: 新書
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