天空聖龍−イノセント・ドラゴン− 1/山口美由紀
しかしこの方は絵が変わらないなぁ。それって実は結構偉大なことのような気がする。
古から伝わる「聖龍伝説」には続きがあり、聖龍が息絶えるその前に、人型となって人の世に入り交じり、闇の龍は復活の呪詛を地に刻み付けた、という。
行き倒れの少女、カナンを救ったサンワの庄の領主の息子・ラムカは、五感を超えた能力の持ち主で、聖龍の末裔であるという。そして、何をやらせても失敗ばかりでドジっ子なカナンにも、「五感を超えた能力者」であることがわかる。
その能力で人を救えるわけでもない、ただこれまで育ててもらった人への恩返しが出来ればいいというラムカと、ずっと虐げられていて「ここにいてもいい、明日も生きていていい」と言われるだけでいいというカナンが健気です。
「フィーメンニンは謳う」の時もそうだったけど、人と人ならざるものが同居する世界、その秩序を乱すのはいつだって人間のエゴという…
死んでしまった庄の女の子の遺髪を、カナンの頼みで飛蛇(空飛ぶ生き物で基本的に無害だが、時に暴走する)が空へ届けるところでうっかり涙してしまいました。
でも、死にかけたカナンを、飛蛇達が助けるところは、ちょっとナウシカっぽい……とちらりと思ったりして。
能力的にどんどん開花していくのと引き換えに、身体的にもカナンに異変が……。つーか、どうにかなっちゃうんだろうか。ちょっと怖い。
天空聖龍~イノセント・ドラゴン~ 第1巻 (花とゆめCOMICS)
- 作者: 山口美由紀
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2005/12/05
- メディア: コミック
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